はじめの一歩(Hajime no Ippo) 27巻 あらすじ・感想

ボクシング / 少年 / 講談社
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リングの熱量が、ついに飽和点を迎える。幕之内一歩は、デンプシーロールという必殺の武器に頼り切った自身のボクシングを、今一度根底から解体する決意を固めた。対峙するは、一歩の懐へと潜り込む戦術を完全に封殺する計算高き技巧派。スタミナという概念すら無意味化させるような緻密な駆け引きの中、一歩は真の強さを求めて自らの魂を削り出す。鷹村守が世界の頂へ手を伸ばすその背中を追い、鴨川ジムの絆と覚悟が加速する、執念の第27巻。

⚠️ ネタバレを含みます。

今巻で幕之内一歩の前に立ちはだかるのは、圧倒的な反応速度と卓越したアウトボクシングを体現する難敵だ。これまでデンプシーロールの回転の鋭さで粉砕してきた一歩のパンチは、空を切るばかりか、相手のカウンターを誘発する致命的な隙へと化す。リング上での孤独な思考の果て、一歩は「拳を振るう理由」を再定義する。一方、鷹村守の階級制覇に向けた減量の苦悶は、もはや一つの狂気へと昇華していた。過酷な渇きが鷹村の理性を焼き切る中、青木勝と木村達也もまた、自身の器を広げるための苦闘を続ける。彼らにとってボクシングとは、他人を倒す手段ではなく、自己の弱さを認め、それを乗り越えた先にある光を確認する儀式に他ならない。一歩は、相手の懐を制する新たな踏み込みと、スタミナ配分の概念を完全に捨て去る覚悟を固める。試合終盤、死力を尽くした先で見えたのは、ボクシングという競技が持つ残酷なまでの静寂だった。

27巻、一歩の苦悩に胸が締め付けられた……。必殺のデンプシーロールを封じられ、自分の拳の意味を問い直す姿が尊すぎる。相手の懐に潜り込む計算高い戦術に翻弄される一歩を見ていると、応援の言葉すら喉に詰まるよ。一方で、鷹村の減量の狂気には魂を持っていかれた。青木や木村も含め、皆がボクシングという名の儀式で自己と向き合う姿が熱すぎて涙腺が崩壊する。リング上の静寂に、彼らの執念が凝縮されていて息をするのも忘れたわ。再読確定、この重厚なドラマを全人類に読んでほしい……。

著者森川ジョージ
出版社講談社
レーベル講談社コミックス
発売日2026-09-18
27巻27巻

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