ラストイニング(Last Inning) 15巻 あらすじ・感想

小学館
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弱小・彩珠学院高校野球部に降臨した名将・鳩ヶ谷圭輔。第15巻、宿敵との死闘を経てチームは変貌を遂げる。勝つための執念を具現化する緻密な戦術と、泥臭い精神力。鳩ヶ谷の掲げる勝利至上主義の真髄が、グラウンドで火花を散らす。野球の常識を覆すのは、綺麗事ではない。データと直感、そして選手たちの限界を超えた執着が、甲子園への執念を現実のものに変えていく。勝敗の分かれ目を制するのは、一瞬の判断と冷徹なまでの準備だ。

⚠️ ネタバレを含みます。

彩珠学院の野球は、もはや無謀な情熱ではない。鳩ヶ谷が植え付けたのは、相手の思考を読み切り、盤面を支配する冷徹な戦略だ。今巻では、絶対的な強豪を前に、鳩ヶ谷はあえて守備の定石を捨て、極端なシフトを強行する。選手たちは困惑しながらも、彼が提示する勝利への道筋に身を委ねる。試合終盤、雨の中で繰り広げられる頭脳戦は、まるでチェスのような緊張感を孕んでいる。投手・大宮の疲弊がピークに達する中、鳩ヶ谷はあえて交代を告げず、限界ギリギリの精神状態で限界突破を強いる。それは残酷な指導に見えて、選手たちに自分を超えさせるための荒療治だ。最後の最後、打席に立った選手が見せたのは、練習の賜物である「究極の粘り」。凡打を長打に変えるスイング、わずかな隙を見逃さない走塁。鳩ヶ谷の哲学が浸透し、チーム全体がひとつの生命体のように機能し始めた。この勝利には、運など一欠片も混じっていない。執念深く積み上げた戦略の果てに、勝利の女神すらも計算通りに手懐ける。彩珠学院の夏は、まだ終わらない。

15巻、鳩ヶ谷監督の采配が冴え渡りすぎて震える……。強豪相手に真っ向勝負を挑む姿、最高に尊い。特に選手たちの成長と、それを静かに見守る監督の表情の変化がたまらない。勝負の行方に一喜一憂しつつ、ベンチ裏での何気ない掛け合いに勝手に萌えを見出して呼吸を忘れた。負けられない試合特有の緊迫感と、そこから生まれる信頼関係が熱い。読み終わる頃には感情を全部持ってかれた。これぞスポ根の極み。何度読み返しても胸が熱くなる、再読確定の一冊。

著者中原裕
出版社小学館
レーベル小学館コミックス
15巻15巻

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