葬送のフリーレン(Frieren: Beyond Journey's End) 1巻 あらすじ・感想

ファンタジー / 少年 / 小学館
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勇者ヒンメルたちと共に魔王を倒し、10年にわたる冒険を終えた魔法使いフリーレン。エルフである彼女にとって、その10年はほんの一瞬にすぎませんでした。50年後、再会したヒンメルの老いと死に立ち会ったフリーレンは、自分が仲間のことを何も知らないまま過ごしてきたと気づきます。彼女は「人を知るための旅」を始め、僧侶ハイターに託された少女フェルンを弟子として、かつての旅路を再びたどっていくのでした。

⚠️ ネタバレを含みます。

ヒンメルの葬儀でフリーレンが人目もかまわず泣き崩れる場面が、この物語すべての起点になる。「たった十年、なんでもっと知ろうと思わなかったんだろう」という後悔が、以降の旅の動機そのものだ。エルフの一年と人間の一年では重さがまるで違うという断絶を、彼女は五十年遅れでようやく理解する。僧侶ハイターは自らの死期を悟りながら、身寄りのない少女フェルンを一人前の魔法使いに育て上げ、フリーレンに後を託して静かに世を去る。フリーレンは魂の眠るとされる最果ての地オレオールを目指すと決意し、そこへ行けばもう一度ヒンメルと言葉を交わせるかもしれないと、かすかな望みを抱く。師と弟子となった二人が北へ歩き出すところで巻は閉じる。

1巻の破壊力、もう語彙が死にました。ヒンメルの棺の前で泣き崩れるフリーレンのあの見開きで人生が変わった読者、絶対いますよね。「もっと知ろうと思わなかった」の一言が解釈一致すぎて胸を掻きむしりました。エルフの時間感覚で人間を好きになってしまう残酷さ、尊い……。ハイターがフェルンを託すくだりも、老いた男の最後の仕事という感じでゾクゾクします。若い頃のヒンメルの顔の良さと、彼が残した銅像の意味を思うと、もう1ページも冷静に読めません。時間差で成立してしまう関係性、最高に沼ですね。

著者山田鐘人 / アベツカサ
出版社小学館
レーベル少年サンデーコミックス
発売日2020-08-18
1巻1巻

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