ラストイニング(Last Inning) 36巻 あらすじ・感想

小学館
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聖母共鳴を掲げる彩珠学院の真価が問われる甲子園、その深淵を抉る第36巻。データと心理戦を武器に、鳩ヶ谷圭輔は対戦相手の思考を完全に支配する。泥臭い野球を芸術の域まで高めた戦略眼が、甲子園という名の巨大な迷宮で狂い咲く。グラウンドに立つ選手たちが流した汗と涙の結晶、そのすべてがこの一冊に凝縮されている。監督として、指導者として、鳩ヶ谷が見据える先にあるのは勝利という名の執着心だけではない。勝利の向こうにある絶景へ。

⚠️ ネタバレを含みます。

今巻では、宿敵・明訓高校との死闘が遂に決着の時を迎える。鳩ヶ谷が仕掛けたのは、相手の主砲・月見里の精神的支柱をへし折る極限の配球術だった。一球ごとに変貌するストライクゾーンの解釈、そして選手の呼吸すらコントロールする心理的な支配権。彩珠学院の守備陣は、鳩ヶ谷の指令通りに動く完璧な歯車となり、明訓の強打を沈黙させる。特に、最終回二死満塁の場面で鳩ヶ谷が送った、「リスクを恐れず、あえてストライクを取りに行く」という狂気じみたサインが試合を決定づけた。バッターが長打を狙う心理を逆手に取り、内角を抉る直球で見逃し三振を奪うラストシーンは、まさに鳥肌モノだ。鳩ヶ谷の掲げる指導理念が、単なる技術論ではなく、人間の本質を見抜く哲学であることを改めて突きつけられる。試合後、沈黙するスタジアムで鳩ヶ谷が零した「勝つこと以上に、教え子の限界を突破させることに意味がある」という言葉が、この漫画の全てを物語っている。勝利の余韻に浸る間もなく、次なるステージへ向かうための残酷な選別が彼らを待ち受けているのだ。

明訓との決着、心臓が跳ねるほど熱かった…。鳩ヶ谷監督の狂気じみた配球術、相手の心をあそこまで支配するなんて、もはや芸術の域じゃない?二死満塁で内角を抉る直球勝負、あの一球で見逃し三振を奪うシーンの尊さは言葉にならない…。計算し尽くされた心理戦の果て、勝利のその先にある教え子の限界突破を見据える監督の眼差しに、ただただ持っていかれた。勝利の余韻に浸る余裕さえ与えない残酷なまでの展開、これぞラストイニング。再読確定、最高の一冊です!

著者中原裕
出版社小学館
レーベル小学館コミックス
36巻36巻

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