葬送のフリーレン(Frieren: Beyond Journey's End) 8巻 あらすじ・感想

ファンタジー / 少年 / 小学館
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二次試験の舞台は、かつて魔族が築いた広大な地下迷宮。受験者は班ごとに送り込まれ、最深部の宝を持ち帰るまで外へ出られない。厄介なのは迷宮に咲く鏡蓮華——侵入者の姿と魔法を丸ごと複製し、受験者に「自分自身」と殺し合わせる魔物だ。フェルンは冷徹な己の分身と対峙し、フリーレンもまた千年の経験を写し取ったもう一人の自分と向き合う。実力が拮抗するほど詰んでいく、悪夢めいた試験が幕を開ける。

⚠️ ネタバレを含みます。

鏡蓮華の複製は本人と同等の魔力と技量を持つため、単純な力押しでは決着がつかない。フェルンは分身との削り合いの中で、フリーレンから受け継いだ高速の魔力弾と魔力の隠匿を「自分の戦い方」へ翻訳し、師の技を血肉に変えて勝ち切る。フリーレンは複製が知らない一手——人間と旅する中で拾い集めた役に立たない魔法や、ヒンメルたちと積み上げた雑多な経験——で自身の分身を上回る。強さの差ではなく、生きてきた時間の中身が勝敗を分ける構図が鮮やかに立ち上がる。カンネやラヴィーネら若手受験者の癖の強い魔法も存在感を放つ。一方でデンケンら別班も迷宮の罠と魔物に消耗し、受験者を減らそうと画策する試験官ゲナウの不穏な思惑も透けはじめ、迷宮の空気は一段と重くなる。

自分自身と戦わせる試験って業が深すぎませんか……! フェルンが「師の技を自分の戦い方に翻訳する」あの瞬間、解釈一致すぎて泣きました。尊い……。フリーレンが分身に勝つ理由が“純粋な強さ”ではなく“ヒンメルたちと積んだ無駄な時間”なのがもう最高で、ここだけで何時間でも語れます。ゾクゾクするのはデンケンさんの覚悟の描き方ですね、老いた男が本気を出す絵は本当にずるい。鏡蓮華という設定そのものが関係性オタクへのご褒美なので、拝むしかないです。

著者山田鐘人 / アベツカサ
出版社小学館
レーベル少年サンデーコミックス
発売日2022-06-17
8巻8巻

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